Tier 4

規制に従う義務があります

EPA Tier 4 に限らず、連邦や州の規制には必ず従わなければなりません。規制対象になっている馬力や出力範囲のディーゼルエンジンを搭載した製品を今後も販売するためには、必ず規制を守らなければならないのです。

Tier 4 というと何か「新しい」問題のように感じられるかもしれませんが、段階的に強化されてくる排ガス規制をどのようにクリアしていくか、その道を求めて、トロ社では 10 年以上も前からエンジンメーカーと協力してきていたのです。段階的に規制が強化されてきたものの、これまでは規制前のエンジンと規制後のエンジンの互換性が高かったため、規制をクリアするための負担は、ほぼエンジンメーカーだけが負っているといってよい状態でした。ところが、Tier 4 の場合、規制をクリアしたディーゼルエンジンをターフ管理機器に載せようとすると、ターフ管理機器自体に大きな設計変更が必要になるのです。この最終排ガス規制ではその要求度が非常に高いために、燃料噴射・燃焼システムだけでなく排ガスの後処理にも非常に高度な技術的変更が要求されるからです。

EPA Tier 4 ソリューションとしての排ガスの後処理

Tier 4
  • EPA Tier 4 をクリアするためには、エンジン制御のための高度な電子技術に加え、排ガスの後処理が大きなポイントとなります。この後処理システムにおいて主要な役割を演ずるのが、ディーゼル酸化触媒(DOC)とディーゼル微粒子フィルタ(DPF)です。
  • 排ガスに含まれる微粒子と NOx を除去するプロセスは、まず排ガスを特殊な触媒に通すことによって、排ガスに含まれている微粒子を、無害な水と二酸化炭素に変化させることから始まります。
  • それが終わると、残っている微粒子は、DPF に送り込まれます。このフィルタは、特殊なセラミック製の壁を持っており、この壁によって排ガスから微粒子を濾過します。
  • こうして DPF に捕捉された微粒子は、最後に、再生というプロセスにおいて高温処理されます。再生とは、たまった微粒子を「焼いて除去」するプロセスであり、これによってフィルタを再生し濾過効率を維持するのです。これを DPF 再生(リジェネレーション)と呼んでいます。

新しいディーゼルエンジン・排気システムはそれぞれが:

  1. (排ガスのモニタと制御を行うための)より高度な電子システムを必要とし、
  2. 物理的にも大型化し、
  3. 新しく導入された高価な機器(特に排ガスの後処理のための)を備えています。

このような Tier 4 対応エンジンを、既存のターフ管理機器の各モデルに搭載していくためには、設計のやり直しを含めた非常に多くの手間がかかります。例えば:エンジンルームのハウジングを新しくする、シャーシやフレームの改造が必要になる、また排ガスの温度がこれまでよりもずっと高くなるため冷却系統については再設計が必要、という風に数え上げればきりがありません。大ざっぱに言って、各モデルにつき、構成部品の 1/3 以上に設計変更を含めた何らかの変更が必要になるのです!これまでのモデルに新しいエンジンを「後付け」すれば良いというのとは全然違うのです。ディーゼルエンジンを搭載した機械(出力 25 ~ 74 馬力)は、トロだけでもを 20 種類製造しており、これらすべてについて大改造が必要になります。

どのメーカーも口に出しては言いたくないことですが、Tier 4 対応のディーゼルエンジン機器を設計、製造するためのコストは、2013 年から大幅に上昇しております。製品の再設計において、コスト削減はどんな場合でも高い優先度を与えられますが、そうした努力だけではコストの増大をカバーしきれないのが現状です。